表現という視点でプロダクトづくり

武蔵小金井でSTEM教育スクール「STEMON」を開校するきっかけで、武蔵小金井発のwebメディア「リンジン」が取材に来てくださいました。

記事のリンクはこちら↓

「答えのない学び」の仕掛け人
#1 事業を決めずに起業を決める
#2 これからの教育ビジネスに見る夢
という2回連載もの。

起業の経緯やSTEM教育と探究型学習に取り組む原体験などを紹介して頂きました。

正解のないことが多い、ということを子供達に体験させたい

SMS時代に新規事業を担当して、正解はないんだという態度に切り替わるのに苦労したのはまさに自分自身でした。

 

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大阪市と蓮田市で小学校教員向けプログラミング教育研修会を開催

新しい学習指導要領が告示されてから、教員向けプログラミング教育研修を担当させて頂く機会が増えています。
先日6月28日は大阪市城東区の森之宮小学校で開催し、約30名の先生方にご参加頂きました。

大阪市城東区森之宮小学校にて先生向けプログラミング教育研修会を開催

大阪市城東区森之宮小学校にて先生向けプログラミング教育研修会を開催

参加者アンケートでは「プログラミングをはじめてやったけど楽しかった!」という回答をたくさん頂き、一安心したところです。

8月2日には蓮田市にて開催します。

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6年生理科×プログラミング教育の授業公開@前原小学校

6年生理科単元「人の体のつくりとはたらき」×「プログラミング教育」の授業公開が、昨日小金井市立前原小学校で開催されました。

前原小、東京学芸大学の加藤直樹准教授、CA Tech Kids社、アーテック社による共同プロジェクト。

いつもの理科室が乗車率100%を超える状態で、熱気?が充満するなかでの授業公開でした。


授業は「脈拍数が100を超えたらアラートするプログラムをつくる」というもので、
子供達が個別または協働で主体的につくる授業設計に。

子供達は楽しみながらプログラムづくりに挑戦していました。

簡易的につくったウソ発見機では笑いが連発

まだまだ教科教育の授業としては課題が残る点もあり、質疑応答では賛否出ていましたが、
2020年の必修化に向けてどこもHOWを見出せていない状況において、いまは様々な切り口で挑戦すべき段階と考えると、
果敢に挑戦する松田校長には敬服します。

この授業公開に向けて松田校長は、
「準備・機材の設定まで担任に任せるわけにはいかないからオレがやる」とコツコツ準備に取り組んでいました。

ふと校長室をのぞいてみるとこんな感じ。

ICT教育の課題の1つですが、ソフトのダウンロードや機材の設定、バグチェックなどかなり時間がかかるのです。

校長室で準備をしている松田校長

夜の関係者懇親会(飲み会)は大盛り上がりw
達成感と反省と次への改善を誓って奮起していました。
(ここでは書けないようなお話もいくつか・・苦笑)

今回のプロジェクトにはSTEMONはかかわっていないのが残念ですが、
2学期には私も前原小学校の理科講師兼STEMONの代表として5年生理科×プログラミングで研究事例を公開していく予定です。

「教科教育」×「プログラミング教育」×「主体的・対話的かつ深い学び」の3つを叶える授業づくりに挑戦していきます!

みなさんおつかれさまでした!!

現役CEO教師日記:転機が訪れるまでの、はじめの1ヶ月

小金井市立前原小学校での教員生活が1ヶ月ほど経ちました。
学校での過ごし方もだいぶわかってきましたし、会社経営とのバランスの取り方も慣れてきました。

午前中は小学5年生とメダカの観察をし、午後はみなとみらいへ移動して某外資系コンサルの方と打ち合わせ。
ユニークな時期を過ごしています。

授業の進め方についても、いろいろ模索しながら学びが多い日々です。

授業のスタイルについては、はじめは冒険しないでスタートしようと考えていました。

教員免許を持ってるし、ステモンで3年間授業をしてきたし、愛和小学校では50時間くらいプログラミング教育をやってきたけど、
公立小学校での教科教育ははじめてです。

そんな私がはじめから「学び合いだー」「探究型だー」「反転授業だー」と実践していくのはまずい気がするのです。
自分では認識できていないけど重要なことを見落とす気がしています。

まずは基本をしっかりおさえねば。
子供達にも迷惑をかけられない責任があります。

ということで、この1ヶ月間は教員向けの指導書をじっくり読み込み、基本的にはそれに沿って授業をやりました。

指導書に沿って授業。みんなしっかり話を聞いてくれます。よくある授業風景。

webマーケのABテストを紹介してから実験。前原の5年生はABテストという実験名が浸透

指導書通りの授業をやった感想。

これは冒険をする気になれない・・・

です。

多少は、
「こういう伝え方をしたほうが興味を持ってもらえるかな」
といった工夫をしますが、

基本的な構成や学ぶ内容は指導書とおりに進めます。
時には、「板書事例」もまったく同じにして。

普段プログラミング教育やSTEM教育の授業をしているとはいえ、
小学校での授業経験が乏しい私でも、指導書に沿って授業をすればまずまずのクオリティが出せるのだと感じました。

そして、指導書はテストにも準拠してつくられているので評価がしやすい。(これは非常に大きい)

私は理科講師としての勤務なので、理科だけやれば良いですが、
国語や算数や社会や体育や総合などなどが毎日ある担任の先生は、
1つ1つの授業準備にそこまで時間をかけるわけにはいかないでしょう。

そうなると、
よく作られている指導書をベースにやるのが”先生にも児童にもベターだよね”となるのだと思います。

それの何が悪いか? 悪いことはないんです。
教科書も指導書も大変よくつくられているのです。

かくいう私も、”1年間ずっと指導書通りにやって終わっちゃうかも” と頭をよぎりました。

民間から来た教師として教科書にとらわれない新しい挑戦をしたい! と意気込んでいるわけですが、
そんな私でも、冒険をする気持ちになりにくいのです。

それくらい、教科教育における構成や学びのねらい、そしてテスト&評価というパッケージがよくできてるのだと感じました。

ただやはり、良い学びとは言い難い。
私の技量もあるかと思いますが、先生が児童に一方的に伝える時間が多い。

“先生と児童”という強烈な関係性があるので子供達は先生の話を聞いてくれるし、
指示をすれば、みんな真面目だからしっかり動いてくれます。

でも、子供達が積極的に学んでいる感が弱い。
用意されたものを覚えている場という印象。

ステモンを比べるとそれを顕著に感じます。
そのうち、『はいはい先生、次はそれをやればいいんですね。』という心の声が聞こえてきそうです。

今はまだよいのです。
「あの人、社長らしいぜ」と興味を持ってくれるアドバンテージがあって、
会社経営や人材育成、マーケティングを例に話すと「へー」と聞いてくれる。

でも、このままでは私も児童も1年持たないな、と感じました。

授業のやり方変えていかねばと思っていたときに、それは起こりました。
教員中村の1回目の転機です。

担任の石井先生が目の前で見せてくれた授業。
子供たちの動きや表情や発言がガラッと変わり、『魔法か!』 というものでした。

ここから、
現役CEO教師中村の「STEM教育×学び合い」、「STEM教育×個性化・個別化」への挑戦がはじまるのでした。

ジャニーズのあの人が小学生とプログラミング教室を体験されました

今晩深夜0:50からステモンが少しだけテレビに登場する予定です。

TBS系の「NEWSな2人」という番組にて、撮影場所として使用していただきました。

ジャニーズのあの方がSTEMONに通う子供達と一緒にプログラミングのレッスンを受けいかれました。

先生は私。映るかな。

撮影の様子を2,3枚撮影しましたが、公開は自粛。ステモン講師たちと共有に留めておきました。

来ていただいた加藤シゲアキさんは(当然ながら)イケメンで、

かつ ”できる電通マン”

みたいな方だなーという印象でファンになってしまいました。

そしてステモンの女性講師陣が大興奮w

たまにはこういう非日常的なイベントもいいですね。

NEWSな2人
http://www.tbs.co.jp/newsnafutari/

キッズプログラミング&STEM教育ステモン
http://www.stemon.net/

公立小学校の先生になります

久々の投稿になってしまいました。

書くテーマによって、このブログに書くか、スイッチスクールステモンBOKENBlock Partyの各ウェブサイトに書くかを選んでいるのですが、自分を開示するこのブログは筆が進みませんw

そんななか1つお知らせをしたいことがあります。
公立の小学校の先生として勤務をすることになりました。

もちろんヴィリングの経営は続けます。

現役のベンチャー経営者が公立の小学校教諭として勤務した例はあるのかな?

『現役CEO教師』です。

勤務校は小金井市立前原小学校です。

この校名を聞いてピンとくる方はICT教育界隈の方かと思います笑
松田校長がいらっしゃる小学校です。

 

 

 

きっかけは、その松田校長から打診を頂いたためです。

 

「そうだ中村さんあのさー、うちで理科講師やらない?」

 

これが3月中旬。例によって急なお話でした笑

 

経営をおろそかにするわけにはいきませんが、新しいことを経験できる機会には飛びついてしまう性分です。

それに、学校教育への批判はよく耳にしますが、批判をするだけなら誰にでもできるし先生たちにも何か想いや事情があるはずで、中を知りたいという気持ちが以前からありました。

これはとても有難い機会。その場で了承。

 

そこから急いで教員免許の準備です。

母親に連絡して実家にある教員免許状を探しだしてもらい(大学卒業した日の茶封筒のままだった)、東京都と埼玉県の教育委員会に足を運び、ゴールドクレストとSMSに在籍証明をお願いし、晴れて東京都の教員となりました。

 

5年生3クラスの理科講師として週9コマ担当します。

TTのT1なので私が主体的に授業案をつくり、評価もします。
急な展開から受けたとはいえ、しっかりと責任を果たしたいと思います。

 

よくよく考えると私にとって以下の効用があると期待しています。
* 公立小学校の約30名を相手にした授業経験を、スイッチスクールやステモンの品質向上に活かせる
* ステモンで3年間STEM教育に取り組んできたノウハウを公教育に還元できる
* 新しい学習指導要領のもと、公立小学校がこれからどこまでできるのか≒民間の教育会社がどんな役割を担うべきなのかを見通せる

 

5月中旬から授業がはじまっています。
インゲンマメを育て、ヨウ素液でんぷん反応を実験し、いまはメダカの観察がはじまりました。懐かしいでしょ?w

でんぷんがある時は青むらさきに変わるよ。

前原小の理科室。ここで授業をしています。

5年生理科×プログラミングにも挑戦していきます!!

しかし今のところそんな挑戦をする余裕はありません汗
BOKENをやっていながら自分はまだ冒険できず。。

 

これからしばらくは、現役CEO教師の日記も兼ねてブログを書いていこうと思います。

 

前原小学校の関係者や地域のみなさん、そして子供達、よろしくお願いします!

私たちが育みたい人物像について

先週末に民間学童スイッチスクール4校すべての入会前説明会が終了しました。

私の長女がこの4月に小学校に入学しますので、今回ご参加いただいた保護者のみなさんと同じ歳の子がいることになります。

「大きな環境の変化にうちの子はすぐ慣れるかしら」

などなど、

会員の皆さんの気持ちが今まで以上によくわかる状態での開催でした。

 

私は今回のように会員の皆さんに集まっていただく場では当社の教育方針をお話しするようにしています。

特に、「どのような大人になってほしいのか」をお伝えするようにしています。

 

「‟好き”で開拓していく人」

複雑な情報・グローバル社会をどのように生きてほしいか?と考えたときに、私たちは以下のような大人になってほしいと掲げています。

『”好き”で開拓していく人』
 ~21世紀型開拓者~

子供たちには将来、好きなことに夢中になってトコトン探究する大人になってほしいと思っています。
そして、いままでにはなかった新しい領域を自分で開拓していってほしいのです。

自分の心がワクワクして仕方ない分野を見つけていて、他者評価や承認欲求を満たすことに引っ張られすぎず、幸せの基準が自分の中にある人。

そして大好きな分野をトコトン探究して創造したものが、社会や組織、コミュニティの発展に貢献できている人。

このような人を育みたいと考えています。
私の娘たちにもどのような領域でもよいので夢中になれる領域を見つけて欲しいと思っていて、そのためのサポートや機会をつくってあげるようと心がけています。

それで食べていけるのか?? そんなに社会は甘くないのではないか? という指摘を受けるかもしれませんが、むしろ夢中になれる人が強い社会になっているように感じます。

会員のみなさんには当社が育みたい人材像の象徴としてよくこのお二人を紹介しています。

 

柘植伊佐夫さんはスタイリストとしてNHK大河ドラマ等のヘアメイクのお仕事を担当されていました。この仕事に没頭し、自らドラマの登場人物についても学び、「坂本竜馬ならこういう服や道具を持っているのではないか?」といった具合に、ヘアメイクだけでなく衣装や小道具などすべてを提案することで「人物デザイナー」と呼ばれるようになった方です。それまでは人物デザイナーという職業はありませんでした。

さかなクンはご存知のとおり魚が大好きな人。いまや海洋学者となり社会に還元をする力を発揮しています。

大好きなことに夢中になって取り組み、気づけばいままでになかった新しい領域を開拓している。
このような人を『21世紀型開拓者』と呼んでいます。

みなさんの中にも「好きでやっている奴にはかなわん」という感覚を持ったことがあるのではないでしょうか。
民間学童スイッチスクールでは歴史やサイエンス、アートや音楽など様々な分野のプログラムを開催していて、子供達がどの領域に強い好奇心を持っているのかを見つけて欲しいと考えています。

そしてその領域を探究していく力を育む位置づけで、正解がない探究型学習BOKENやテクノロジーを活用できるようになるステモン!を運営しています。

このような活動を通して、好きなことをトコトン追求して新しい領域を開拓していく力を持った子が巣立っていくと良いなと考えています。

子供たちと5ヶ年計画の里山再生プロジェクトが始動!(DAY1)

ダッシュ村をマネた「スイッチ村」にするか、お菓子を連想させそうな「スイッチの里」にするか名称は思案中ですが、子供たちと5ヶ年計画の里山再生プロジェクトが始動しました。

舞台は神奈川県横浜市。
横浜市と聞くとこんなイメージを持つかと思います。少なくとも埼玉育ちの私はそうでした。

(一般社団法人 横浜みなとみらい21より転載)

 

横浜市は広いんですね。「スイッチの里(仮)」の舞台は同じ横浜市でもこのようなところです(実際の場所です)

実際の場所です

当社は子供たちが学校や塾では育みにくい、しかし社会に出たあとイキイキと活躍するために大切な力を育む教育カンパニーです。

テクノロジーを活用する力はすべての子供たちに必須のスキルとなりますが、学校や塾では教えてもらえません。そのためSTEM教育に力を入れていて、エンジニアリングやプログラミングを学ぶステモン!を運営しています。

STEM教育スクールのステモン!
http://www.stemon.net/

 

一方で豊かな感性や社会とつながって生きる態度も育んでいきたいと思い、野外活動にも力を入れています。

ここなら間違いなく良い体験ができる!

そう確信をしてお借りすることとなりました。

DAY1が1月22日に実施されましたのでその様子をご紹介します。

 

 

DAY1:苗床づくり

まずは畑の近くにあるお宮さんで豊作を祈願しました。
その後は畑の四隅にお神酒をまいて、畑の神様にご挨拶と改めての豊作祈願。

 

苗床づくり その1:落ち葉や古い苗を刈る

苗床づくりは、お米の苗を育てるために土を良い状態にする重要な作業です。

まずは落ち葉や昨年の苗の残った部分を刈り取り、土が発酵して養分を蓄えやすくします。

薄く氷が張るほど冷たい水が張った田んぼで手がとっても冷たかったのですが、皆で協力して頑張りました。

 

はじめて鎌をつかっての作業。悪戦苦闘しながらも、上手に使いこなせるようになりました!

 

苗床づくり その2:糠をまいて、藁をかぶせる

落ち葉などを取ってきれいにした土に、今度は表面が真っ白になくらいまんべんなく糠(ぬか)をまきました。
糠の味見にも挑戦。。。!

「お米のいい匂いがする!」

と意外なおいしさに驚いていました。(服に着いた糠をなめ続ける子もw)

糠を撒いたあとは、土に日が当たらないように藁を被せます。

この後2か月ほど放置し、十分に発酵させて養分を土に蓄えさせます。

さらさらの糠をまんべんなく撒きます

 

農業は楽ではありませんね。農家の方の苦労が体験できました。

 

日があたらないように藁をかぶせます。

 

 

隙間がないか、入念にチェック。そして完成!

 

待ちに待ったお昼ご飯。

仕事を終えて原風景の中で食べるご飯は格別です。

 

 

 

里山探検!!

お昼を食べた後は、里山探検!

実際に歩きながら、枯れ木が日差しを遮ってしまっていたり、倒れた木が道をふさいでしまっていたり、様々な発見がありました。

「ここに秘密基地があったら眺めがいいね!」など、

里山のデザインもどんどん浮かんできました。

 

 

 

 

 

 

次回は2月19日(日)の予定です。子供たちもスタッフも私も早く里山に行きたい!! と楽しみにしています。

プログラミング必修化よりも革新的な新たな学習指導要領3つの変更点

こんにちは、ヴィリング代表の中村一彰です。

昨日、2017年3月に告示予定の新たな学習指導要領のパブリックコメントが受付開始となりました。

今回の改訂は「ゆとり教育」「週5日制」「絶対評価」がはじまった平成14年の改訂よりも大きな改革ではないかと思っています。

少しでも多くの方に興味を持ってもらいたいと思い、主に小学校課程の学習指導要領に対する私見を書きたいと思います。

▼学習指導要領(左)
文部科学省が発行する法的な拘束力を持ったもの。全教科6年分この1冊にまとまっています。
▼学習指導要領解説(右)
10年に1度の学習指導要領改訂にあわせて文部科学省がつくる教員向けの冊子。教科ごとに1年生~6年生で学ぶべき内容が記載されている。法的な拘束力はなしとされています。

 

2020年(平成32年)から実施される新しい学習指導要領で最も話題になっているのはプログラミング教育でしょう。

中央教育審議会の議論をさかのぼると、数年前はほぼ議論にあがっていなかったプログラミング教育が、情報社会に合わせて急ピッチで議論が進み、2020年から公立小学校でプログラミング教育必修化にこぎつけたことがわかります。

小学校でのプログラミング教育は、学校現場ではまだまだ現実味が乏しい状況で、先日お会いした先生の中には「新聞で知りました」という方や「えっ、知らなかった」という方もいらっしゃいました。

一方で、当社がプログラミングソフト「Scratch」の学習教材を提供させていただいている小金井市の前原小学校をはじめ、一部の学校では試験的な実践が盛んになってきています。

 

ステモン!(株式会社ヴィリング)が公立小学校に公開しているプログラミング学習教材

 

プログラミング教育と並んで外国語も必修化となります。

これは当面は”英語教育”と置きかえてよいと思いますが、この2つが公立小学校にて新しい学びとなることは時代を象徴する大きな変更点といえるでしょう。

しかしこの2つの影に隠れてしまっているけれども、実はもっと革新的な3つの改定が来月告示される学習指導要領では盛り込まれる見込みなのです。

自ら小学生向けプログラミング教育を運営していながらこのブログタイトルはためらいましたが、やはり今回の学習指導要領の本質的な改定はこの3つにあると考えています。

プログラミング教育よりももっと革新的な新しい学習指導要領3つの変更点

大きな変更点の1つ目は『評価項目が4つから3つに変わる』ということです。

現在学校における子供たちの評価項目は以下の4つです。

  • 「知識・理解」
  • 「思考・判断」
  • 「技能・表現」
  • 「関心・意欲・態度」

小学校のお子様がいるご家庭では見覚えのある項目かと思います。現行ではこの4つ項目で学習状況の評価が行われているのです。

これが以下の3つになる予定です。

  • 「知識及び技能」
  • 「思考力・判断力・表現力等」
  • 「主体的に学習に取り組む態度」

現行との関係性を図にすると以下のようになります。

 

「知識・理解」と「技能」が「知識及び技能」という1つの項目に集約される形となります。これらは「学校教育法第30条2項」にある子供たちが育むべき力を表した評価項目がもとになっています。

この改訂は「思考力・判断力・表現力」と「主体的に学ぶ態度」の重要性を高めたことを意味し、「知識があるだけにとどまらず、その知識を活用して創造や表現をすることの重要性」と、「生涯にわたって主体的かつ探究的に学び続けることの重要性」を示しているのです。

評価(学校の成績や受験システム)もこの2つの力がしっかりと育まれているのかを評価をする方向に変わっていくはずです。

”インプット”だけでなく”インプットをアプトプットにつなげる力が大事ですよ!”という意志が汲み取れ、これはとても良い改訂だと私は思います。

 

情報の蓄積と情報処理はコンピューターが人を圧倒的に勝ります。知識の獲得にとどまるならば、いわゆる”ググれカス”って言われないように検索すれば済む話です。

知識が豊富なだけではイキイキと活躍することができない社会になってしまったのです。

一方でコンピューターはある情報を有意に関連付けて新しい概念を生み出すことは苦手です。例えば「棒」と「棒」を組み合わせたら食事が便利な「箸」になることをコンピューターが生み出すことは難しい。

2つの「棒」が箸という新しい概念・道具になる。このような創造はコンピューターにはまだ難しい

ここに人の強みがあります。

これからの社会では知識を関連付けたり組み合わせて新しい概念を人が創造し、テクノロジーを活用して実現する力が大切な能力になるのです。

この評価項目の変更は社会の変化に沿った素晴らしいものだと思います。

大きな変更点の2つ目:はじめて学習指導要領が踏み込む先生たちの聖域

大きな変更点の2つ目は、これまで先生の聖域とされており学習指導要領が踏み込んだことのなかった領域に触れています。

それは『学び方』です。

戦後6回の学習指導要領改訂のなかで規定していたのは、

「何を学ぶか」「何時間学ぶか」の2つでした。

「何を学ぶか」を規定することで全国津々浦々同じ勉強ができ、世界でもトップレベルの教育水準を実現してきました。

また、「何時間学ぶか」を規定することで公教育としての公平性を保ってきました。

ただしどのように学ぶのかについてはほぼ触れていませんでした。

 

学習指導要領をどう解釈して、どのように教えるかは先生たちの工夫に任されていて、ここが先生たちの腕の見せ所です。先生方は教科ごとに定期的に部会や研究会を行い、その研究と実践が代々引き継がれてきました。

例えば算数の「小数の計算」について、それぞれが実践した授業案を持ち寄って事例共有を行うなどです。

先生方の真摯な積み重ねが、日本の教科教育を世界トップレベルを押し上げたと言えるでしょう。

(この職人的なスキルゆえに横断的に学ぶ弊害も出てきていると思いますが、それは別の機会に触れたいと思います)

では、新しい学習指導要領が「学び方」についてどのような方針を示しているのかというと、

「主体的・対話的で深い学び」

と表現しています。

これは、ここ数年注目されてきた「アクティブ・ラーニング」のことです。

アクティブ・ラーニングとは、教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査 学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク 等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。引用:文部科学省 用語集 http://www.keinet.ne.jp/gl/10/11/kaikaku_1011.pdf

 

主体的・探究的に学ぶ(アクティブ・ラーニング)ステモン!のレッスン風景

 

 

アクティブラーニングという言葉は定義が曖昧ということで、学習指導要領では使用は見送られるようです。そして「主体的・対話的で深い学び」という表現になりました。

変化の早い現代社会では、”大学まで学び、社会に出たあとはその知識を活かして仕事をする”ということは不可能です。社会に出たあとも学び続ける必要があります。

しかも、社会に出たあとは誰も正解を持っていないことを学びながら自分なりに見出していく必要があるのです。

文科省はこの時代背景に沿って、子供たちが主体的に なぜ!? どうして!?と思ったことを探究的に学び、新しい発見をする喜びを感じることで、主体的に学び続ける態度を育んでいくべきと考え、そのように学校教育も舵を切ったのでしょう。

素晴らしい!!

当社でも2013年から取り組んでいる探究型学習スクールBOKENのねらいもまさにここにあります。
子供たちが新しい発見をする喜びをたくさん体験してもらうことや、協同で学ぶ仕掛けをつくってきました。学校でもこのような場が増えていくことはとても良い方向だと思います。

 

上記2つの変更点はいずれも素晴らしい方針だと思います。文部科学省の方々の深い知見と、考え抜いてつくられたであろう努力が一語一語から感じられ尊敬の念を抱きます。

しかし新たに懸念することも出てきます。それは・・・

「学校ができるのか?」ということです。

私は教育学部出身のため同級生の多くが学校の教員として勤めています。

彼らは多忙です。

教科を教えることは先生としての業務の一部にすぎず、生活指導や進路指導、保護者対応、そして部活動など仕事は多岐に渡ります。

また、急にこれまでと違うことをやらねばならないとなっても、スキルとして備わっていなければできません。

例えばプログラミングを教えることや英語を教えることは、知見がない先生には難しいでしょうし、既存の教科を「主体的・対話的に深い学び」の授業案にカスタマイズすることは簡単ではないはずです。

おそらくこのような背景から、新たな学習指導要領の3つ目の変更点があるのだと思います。

大きな変更点の3つ目:「社会に開かれた教育課程」という方針に基づく民間との連携

今までの学習指導要領にはなかった「前文」というものが新設される予定です。

これは改訂全体の方針を示すもので、”全てはこの方針・前提で取り組んでいこうよ”というメッセージです。

そこにあるのが、

学校と社会との連携・協働の中で教育目的実現を図る「社会に開かれた教育課程」

 

が強調されています。

これはつまり、社会の変化に合わせて最適な教育を子供たちに提供するには学校だけでは困難だと言い換えることができます。
そして我々のような民間企業やNPOなどが一部担い、社会全体で公教育をつくっていこうという方針です。

閉ざされた学校から脱却し民間と連携して新しい公教育の形をつくる

実際に当社が運営するステモン!という小学生向けSTEM教育スクールは、昨年度東京都多摩市の愛和小学校にてプログラミングの授業を3,4,5,6年生に15時間ずつ担当させて頂きました。

全60時間程度、ほぼすべて私が教壇に立たせていただき子供たちにプログラミングの授業を実施したのです。

 

愛和小学校にてプログラミング授業を実施する筆者
(愛和小学校2年半のICT活用発表会レポート写真より)

校長先生や担任の先生と連携して取り組みました。自分でいうのもおこがましいですが私たちがいなければ実現はできなかったと思います。

それは、教材の選定や授業案の作り方、学年に応じてどのような成果物を期待することが適切なのかを先生方はまだご存知でなかったからです。

このように、民間企業が持っている知見やリソースを公教育で活用していただく、これによって学校だけでは担いきれない学びを協働でつくっていくカルチャーが重要になるのでしょう。

以上が、新しい学習指導要領における革新的な3つの変更点となります。どれも時代にフィットした素晴らしい改訂だと思います。一方でこれらを学校ですぐに実践していくことは難しいでしょう。

多忙な先生方のご苦労が目に浮かびますが、社会は待ったなしで子供たちを待ち受けています。私も教育ベンチャーを経営する1人として貢献していきたいと考えています。

※文部科学省より公表された資料をもとに個人の解釈で書いております。詳しくは3月に告示される学習指導要領や文部科学省の公表資料をご確認ください。

2017年スタート 書き初め大会と事業計画

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は会員の皆様はじめ多くの方々にお世話になりました。スタッフを代表してお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

今年もスタッフ一丸となりアスタースクールの「スイッチスクール」、STEM教育の「STEMON」、探究型学習の「BOKEN」 をより良くして行きたいと思います、よろしくお願い致します。

 

さて、株式会社ヴィリングは今日から始業です。スイッチスクールには朝から子供たちが来ていて、元気いっぱいに過ごしていました。

スイッチスクールの長期休み中は毎日イベントが開催されていて、今日は新年初日ということで書き初め大会を行いました。

書くテーマは「今年の目標」。習字は不慣れながらも練習を経て、みんな書き上げていました。

 

「美しい心」

「勉強頑張る」

「楽しい3学期」

 

素敵な言葉が並びます。

「ゲーム上手になりたい」「UFOを見たい!」なんていうものありました。

そのほかには「我は勇ましい」とか「スマップふっかつ」なども。本人たちは満足げだったしきっとメッセージが込められているのでしょうw

 

私も年始には一年の目標を書き出すようにしています。
普段手帳は使わないのですが、思考を蓄積する場所として手帳に書き残していて、1年前に書いたことを見てみると以下の内容でした。

当時考えていたことは、社員をはじめスタッフみんなが本当によく頑張ってくれているなか、ベクトルがあっていなかったり、社員自身がこれでいいのかな?と迷いながら取り組んでいるように感じ、目指すべき状態をより具体的に示し、そこに向かって各スタッフなりに努力や工夫をしていく状態にしたいということでした。

実は恥ずかしながらこれを書いてから一度も手帳を見直さず、書いた内容をこの正月まですっかり忘れていましたが、2016年で最も時間をかけてつくり上げたものが会社のMission,Vision,全社戦略,事業戦略だったので、「事業の目的、目標、方針がある状態」は実現することできました。

そして「サポートを得ながら」というところも”まさに”で、7月に前職 SMSの 元取締役である信長さんが退任されたと聞きすぐに連絡をして、事業計画立案のアドバイスをお願いしました。

SMS時代に一緒に仕事をさせて頂いた期間はわずかで、「よく連絡をしてきたなー」と言われましたが快く受けてくださり、約半年間信長さんと毎週火曜日の午前10時〜12時の2時間ミーティングをし続けました。

今思えばはじめの2ヶ月くらいはディスカッションが散らばっていましたが、10月ごろから徐々に目指すべき状態や現プロダクトの価値、保護者や子供達が抱えている問題、制約などが整理されてきて、11月に入り一気にドキュメントの精度も上がっていきました。

この間のMTGは全て録音をして、気になったところは移動中などに聞き直すことで気づきを得ることが何度もありました。

 

私は油断すると現場の仕事に入り込みすぎてしまうので、週に2時間は中長期的なことを考える時間を強制的にとり、しかもそこで自分よりも経験豊富な方にサポートして頂けたことは非常に有難い機会でした。

 

Mission,Vision,戦略が明確かつメイクセンスな状態にあることの威力は、前職SMSで何度も実感しました。

当社のそれはまだまだブラッシュアップが必要な状態ですが、スタッフやこれから加わってくれる仲間と共有できる指針ができたことは大きな財産になると思っています。

自分の力だけではここまでのプランをつくることは難しかったと思いつつも、ゴールドクレスト安川社長からの言葉を思い出し、「学生まではカンニングは禁止だが、社会人になったら持ち込み・カンニング・家庭教師あり」という教えを忠実に守っているということで良しとしますw

 

戦略があってもオペレーションが伴わなければ絵に描いた餅です。

日々の業務に真摯に取り組むことが社会に貢献できるサービスを創造できる道ですので、2017年はMission,Vision,戦略のもと丁寧かつスピード感を持ったオペレーションを実践していきたいと思っています。

1年後に「目標達成!」と振り返ることができるよう、STEMと探究の学びの機会をつくっていきたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。