小金井市立前原小学校での教員生活が1ヶ月ほど経ちました。
学校での過ごし方もだいぶわかってきましたし、会社経営とのバランスの取り方も慣れてきました。
午前中は小学5年生とメダカの観察をし、午後はみなとみらいへ移動して某外資系コンサルの方と打ち合わせ。
ユニークな時期を過ごしています。
授業の進め方についても、いろいろ模索しながら学びが多い日々です。
授業のスタイルについては、はじめは冒険しないでスタートしようと考えていました。
教員免許を持ってるし、ステモンで3年間授業をしてきたし、愛和小学校では50時間くらいプログラミング教育をやってきたけど、
公立小学校での教科教育ははじめてです。
そんな私がはじめから「学び合いだー」「探究型だー」「反転授業だー」と実践していくのはまずい気がするのです。
自分では認識できていないけど重要なことを見落とす気がしています。
まずは基本をしっかりおさえねば。
子供達にも迷惑をかけられない責任があります。
ということで、この1ヶ月間は教員向けの指導書をじっくり読み込み、基本的にはそれに沿って授業をやりました。
これは冒険をする気になれない・・・
です。
多少は、
「こういう伝え方をしたほうが興味を持ってもらえるかな」
といった工夫をしますが、
基本的な構成や学ぶ内容は指導書とおりに進めます。
時には、「板書事例」もまったく同じにして。
普段プログラミング教育やSTEM教育の授業をしているとはいえ、
小学校での授業経験が乏しい私でも、指導書に沿って授業をすればまずまずのクオリティが出せるのだと感じました。
そして、指導書はテストにも準拠してつくられているので評価がしやすい。(これは非常に大きい)
私は理科講師としての勤務なので、理科だけやれば良いですが、
国語や算数や社会や体育や総合などなどが毎日ある担任の先生は、
1つ1つの授業準備にそこまで時間をかけるわけにはいかないでしょう。
そうなると、
よく作られている指導書をベースにやるのが”先生にも児童にもベターだよね”となるのだと思います。
それの何が悪いか? 悪いことはないんです。
教科書も指導書も大変よくつくられているのです。
かくいう私も、”1年間ずっと指導書通りにやって終わっちゃうかも” と頭をよぎりました。
民間から来た教師として教科書にとらわれない新しい挑戦をしたい! と意気込んでいるわけですが、
そんな私でも、冒険をする気持ちになりにくいのです。
それくらい、教科教育における構成や学びのねらい、そしてテスト&評価というパッケージがよくできてるのだと感じました。
ただやはり、良い学びとは言い難い。
私の技量もあるかと思いますが、先生が児童に一方的に伝える時間が多い。
“先生と児童”という強烈な関係性があるので子供達は先生の話を聞いてくれるし、
指示をすれば、みんな真面目だからしっかり動いてくれます。
でも、子供達が積極的に学んでいる感が弱い。
用意されたものを覚えている場という印象。
ステモンを比べるとそれを顕著に感じます。
そのうち、『はいはい先生、次はそれをやればいいんですね。』という心の声が聞こえてきそうです。
今はまだよいのです。
「あの人、社長らしいぜ」と興味を持ってくれるアドバンテージがあって、
会社経営や人材育成、マーケティングを例に話すと「へー」と聞いてくれる。
でも、このままでは私も児童も1年持たないな、と感じました。
授業のやり方変えていかねばと思っていたときに、それは起こりました。
教員中村の1回目の転機です。
担任の石井先生が目の前で見せてくれた授業。
子供たちの動きや表情や発言がガラッと変わり、『魔法か!』 というものでした。
ここから、
現役CEO教師中村の「STEM教育×学び合い」、「STEM教育×個性化・個別化」への挑戦がはじまるのでした。